よくある疾患シリーズ 〜風邪〜
こんばんは。
最近は、新型コロナワクチンの話題ばかりでしたが
もともとこのブログでは、一般の方々と医療界の架け橋のようなことができたらなと思って始めたので、
疾患のこと、家庭医療のこと
自分が今医学を勉強してきて
分かっていることをなるべく
皆様に分かりやすくお伝えするというのを
もともとの目標にしておりました。
ので、、、またゆるゆると再開していこうと思います。
さて、私はどちらかというと、クリニックの中でも
初診外来、急性疾患を担当することが多いです。
カツシ先生が、慢性期疾患、生活習慣病の専門です。
なので、私が担当しているような疾患の話もできたらと思います。
これから
少しづつ私が普段よく診ている「よくある疾患 (common disease) 」シリーズ
についてまとめて行こうと思ってます。
合わせてぼちぼち、「症状からまとめたもの」シリーズというブログも書こうと思います。
つまりこちらの「よくある疾患 (common disease) 」シリーズは、どちらかというと診察を受けて診断がついた後にご参照いただき
「症状からまとめたもの」は、症状がある時に、どうやって診察していくのか診察前にお読みいただけたらと思ってます。
ただ、整うまでにはかなり時間がかかると思うので、(一生の生業かもしれません)
ゆっくりおつきあいいただけると幸いです。
今日は「風邪」について書こうと思います。
風邪
どんな病気か
さて日常でもよく
「風邪ひいたかも。。。」「あーー風邪ですね。」
とよく耳にする「風邪(かぜ)」。。。。
馴染みの言葉ですが、どういったことを指すのかというと
あまり深く考えたことないかもしれません。
以前、「風邪に効く抗生剤!?」という記事を書きました。→こちら
「風邪」は、ウイルスによって引き起こされる諸々の症状を指します。
ウイルスは小さいので全身を駆け巡るため様々な症状を起こします。
ウイルスはたくさんの種類がありますが、どのウイルスも似たり寄ったりです。
発熱、頭痛、喉の痛み、咳、鼻汁、関節痛、発疹などです。
中には、特徴的な症状を示すウイルスもいます。
(例えば ヘルペスウイルスとか。でもこの場合は風邪とは言わずヘルペスウイルス感染症と言ってしまうかもしれませんね。)
また特に上気道(鼻や喉)の症状がある場合は、ウイルス性上気道炎と言ったりします。
お腹が好きなウイルスは下痢を起こすこともあります。(この場合はウイルス性胃腸炎と呼ぶ事が多いです。)
大きなカテゴリーでいうと「風邪」になります。
さて大概のウイルスは
だいたい5日以内で症状が治まる事が多いです。
(咳だけはその後、残ることはよくあります。)
なので、クリニックを受診されて
「きっと風邪ですね!」と言われた時は、
「何かのウイルスと戦っているけど、多分ご自分の免疫力で5日以内に治るからよく休んでね。」と言われているということです。
でも中には、ウイルスでも長くかかるもの、急変があるものもあります。
そして、今世間を脅かしている新型コロナウイルスも、治るはず経過を辿らず、悪化し肺炎を引き起こすことがあるので要注意と言われております。
また始めは、風邪のように見えても、実は違う疾患のこともあります。
診断はどうやってつけているか?
では診断はどうやってつけているでしょうか?
診断は、、
問診と、身体所見で行います。
でも〇〇ウイルスであると区別は、実は検査をしないと分かりません。
また分かるのもごく一部のウイルスしか分かりません。
(新型コロナウイルスはPCR検査などで診断できますね。)
治療法は基本的に一緒なのであまり区別をつける必要はないです。
医師は
「ただの風邪らしくない兆候はないか?」
「この患者さんはこの風邪のウイルスに勝てるだけの免疫力があるのか?」
というところを中心に診ています。
ただそれは、初めから分かるというものではなく、
経過が普通でないという時に分かることもあり
つまり、時間経過はかなりのヒントです。
普通は、2−3日でピークを迎え、5日程度でよくなっていくものなんだという事を
皆様に知っててもらい、そぐわない時は、また受診していただく
というのが現実的です。
治療はどうするのか?
治療は、
基本的にはそれぞれの症状を緩和するお薬を使用します。
対症療法と言います。
症状を緩和させて、
少しでも楽に
このウイルスとの戦いに勝ってね!
という気持ちでお薬をお出ししてます。
でも一番の治療は
よく食べて、よく寝ること!!!!です。
自分の免疫力で打ち勝ってもらいます。
以前の「風邪に効く抗生剤!?」という記事の繰り返しになりますが(→こちら)
基本的な考え方として抗生物質はウイルスには効かないとされております。
でも一部のウイルスは、抗ウイルス薬がありますのでうまく使用すると良いですね。(インフルエンザやヘルペスなど)
その場合はまた相談しましょう。
というわけで
風邪を引いた時、
基本的には
安静に過ごし、水分をしっかりとってご自身の免疫力でウイルスを追い出しましょう。
繰り返しますが
5日以上も熱が続くようなら、ただの風邪とは言えないかもしれません。
その場合は再診をお願いします。
さて今日は「風邪」についてざっくばらんにお話ししました。
受診されまして
風邪の診断だった場合には
こういったことをご説明させていただきます。
またご不明な点がありましたら
診察の時にご質問くださいね。
ではでは。
あん奈