よくある疾患シリーズ 〜痛風 高尿酸血症〜

みなさま、こんばんは。

今日は久しぶりによくある疾患シリーズです。

なかなかよくあるシリーズの更新のスピード遅くすみません。

 

今日取り上げたいテーマは、、、「痛風(つうふう)です。」

痛風は血中尿酸値が高い事が、発症のリスクの一つになります。

血中尿酸値が高いことを「高尿酸血症(こうにょうさんけっしょう)と言います。

痛風、、、、風が吹いてあたっても痛い。。。という恐ろしいですね。。。

ご経験おありでしょうか?

痛いですよねえ。

私は、、、、、、、、、あります。(小声)ううっ。。。(泣)

ああ、でも偽痛風だった可能性も。。(偽痛風というのは尿酸結晶ではなくピロリン酸カルシウムの沈着する別の関節炎です。)

とにかく痛風って何?っていうところを今日はお話ししたいと思います。

 

痛風発作の男性

 

さて、、

 ★よくある疾患シリーズ、過去のブログはこちらです。

・そろそろ、熱中症の季節です。→こちら

・風邪→こちら

・インフルエンザ→こちら

・帯状疱疹→こちら

・咽頭炎/扁桃周囲炎→こちら

・尿路感染症(膀胱炎/腎盂腎炎)→こちら

・蜂窩織炎/壊死性筋膜炎との違い→こちら

・急性胃腸炎→こちら

・急性腰痛症→こちら

・過換気症候群とは?→こちら

・急性虫垂炎(いわゆるモーチョーは盲腸の病気ではないんです!)→こちら

・片頭痛→こちら

 

 

高尿酸血症とはなんでしょう?

健診などで、採血をした際に

「尿酸値」という項目に注目した事がありますか?

健診の結果イメージ

高尿酸結晶は、この血中尿酸値>7mg /dlで定義されます。

有名なのは痛風ですが、そのほかにも高血圧や慢性腎臓病の増悪なんかにも関わっている値です。

尿酸値が高いのは何も、生活習慣のためだけではありません。病気による尿酸の過剰産生の可能性や、お薬の影響の除外も必要です。

 

この数値、長らく、高かったらすぐ尿酸を下げるお薬が使われてきましたが

2018年の12月に発表された「高尿酸結症・痛風の治療ガイドライン第3版」では

症状がなければ、よっぽど高くなければお薬を使わないということも推奨されています。(食事運動療法に徹する)

 

ではどういう時にお薬を使うべきか?

各国でいろいろなガイドラインが出ております。

でも大体どこのガイドラインも

以下の場合には、お薬を推奨してます。

 

・痛風発作を年に2回以上

・痛風結節がある。

・尿路結石の既往がある。

・慢性腎臓病などの併存症がある。

(※ ガイドラインによって多少の差があります。)

つまり、何がなんでも下げないといけないわけではないけれども

痛風を起こすとか、なんか他の病気を持っている、めちゃくちゃ高い!(血中尿酸値>9mg /dl)(→これは条件付き)

という場合はやはり内服にて下げることも検討していきます。

 

では、痛風(発作)とはなんでしょうか?

痛風というのは、尿酸の結晶が関節に沈着する関節炎です。

急に起き、一箇所、もしくは数カ所の関節で発症する事が多いです。

好発部位は、第1中足趾節関節(足の親指の付け根)です。

50~70%は、この第1中足趾節関節に生じます。

 

痛風の発症リスクは

・尿酸値が高い

・男性

・高血圧がある

・肥満がある

・慢性腎臓病がある

・尿酸を含む食事をしている。

なんかが挙げられます。

一番確実な検査は、関節液を抜いて(関節穿刺と言います。)調べる事です。

顕微鏡で見ると、針状の尿酸結晶が見えます。

さっきチラッと出てきた偽痛風はギツウフウと呼び、偽の痛風と言いますが、顕微鏡で見ると棒状、平行四辺形、立体的なピロリン酸カルシウムを確認できます。症状がかなり一緒です。

 

ただ、実際は毎回関節液を抜かなくても

毎回繰り返している方は

症状を見ただけで痛風らしいと診断することもあります。

治療はどうするのか?発作の時と、高尿酸結晶の管理

さて、治療ですが

急性期の発作治療と、高尿酸結晶の管理を分けて考えます。

●痛風発作時(急性期)

痛風も偽痛風も急性期の治療は同じです。

とにかく痛み止め、炎症を抑えるお薬です。

この発作期に急に血中の尿酸値を変動させてはいけません。

普段からお薬で尿酸のコントロールをされている方はそのまま内服しながら、

開始してない人は発作期に急に開始することはありません。

とにかく炎症を抑えるための加療に徹しましょう。

冷やしたり、安静にすることも大事です。

 

●高尿酸結晶の管理(慢性期の管理)

治療目標は、血中尿酸値<6mg /dl です。重症例では(血中尿酸値<5mg /dl)

大きく分けて

・尿酸を作らせないお薬(尿酸生成阻害薬)

・尿酸を尿から追い出すお薬(尿酸排泄促進薬)

の二種類があります。

第一選択は、尿酸生成阻害剤です。

その中でも何種類かあります。費用や効果面、腎臓の機能などと相談しながら選択していきます。

尿酸を多く含む食べ物とは?

さて尿酸はどんな食べ物に多く含まれているでしょうか?

 

尿酸を多く含む食事

 

尿酸とは、プリン体という成分が肝臓で分解されて生じる老廃物です。

内臓類、肉類、魚介類などに多く含まれています。

レバーや白子、一部の魚介類(エビ、イワシ、カツオ等)などが挙げられます。

尿酸を多く含む食品一覧などをご参照されると参考になると思います。→こちら(公益財団法人痛風・尿酸財団)サイト参照

うまいこと、プリン体の摂取量を食事からコントロールして尿酸値を下げましょう!

また、水分もとても大事です。しっかり水分補給もしましょう!

 

さて、少し意外と思われることを最後に何点か・・・・

・果物

一見体に良さそうな果物はフルクトース(果糖)を多く含んでおります。

適切な量であれば問題になりませんが過剰の摂取はおすすめできません。

・乳製品と豆乳

乳製品は尿酸値が低下するという報告があります。

でも豆乳はむしろ尿酸値が上昇します。

うまく摂取カロリーを考えつつ乳製品は取り入れてもいいけど、似ている豆乳は控えたほうが良い。

 

私も少し意外でした。

 

さて今日は、痛風、高尿酸血症についてお話ししました。

 

私も今までで一度だけおそらく痛風発作だったんだろうなという経験があります。

初めは、関節を捻ったのか

なんなんだろうと思ってたのですが

例の好発部位がとても腫れ出して、、

思い出しても痛いです。靴を履かずに帰った記憶があります(笑)

いやはや、、、です。

しっかり、節制して参りたいと思います。

 

さて今日はこの辺で。

おやすみなさいませ。

 

あん奈