SARS-CoV-2ウイルス(新型コロナウイルス)感染症にかかってしばらくして、遅れて肺炎になるなんて???
こんにちは。
最近急に土砂降りの雨が降ったりして
天気の不安定さを感じております。
雨は恵みでもあり嫌いではないですが。。
災害は怖いし単純に傘がないと(いや、あっても)大変ですよね。
気圧の変化で頭痛などの起きる方もいますし
体調を崩しておられないでしょうか?
当院でも発熱外来は引き続き
連日、SARS-CoV-2ウイルス(新型コロナウイルス)感染症の方が続出しております。→こちら
★新型コロナウイルス感染症に関する報道発表資料(発生状況)2024年→こちら
★新型コロナウイルス感染症に関する報道発表資料(発生状況)2024年→こちら
皆様、当初のような『漠然としたコロナへの不安』はなくなり
『あ!コロナですか。』みたいな反応の方が増えました。
思えば、この4年余りで世の中の状況はかなり変化しました。
普段元気に過ごしておられる方にとってはそれで構わないと思います。
よく休んで
よく食べて
時には、症状を緩和するおくすりを内服して助けてもらいながら
うまく乗り切りましょう。
ただ、中には
免疫力が弱い方がおられます。
その方にうつってしまうと重症化する可能性もあります。
ひきつづき、そのことを念頭において行動し続ける必要はありますね。
自分は大丈夫だけど
巡り巡って
大変になる人がいるかもしれない
そのことを忘れないように私も発言、行動したいです。
さて、今日は
SARS-CoV-2ウイルス(新型コロナウイルス)感染症にかかったあとに遅れてやってくる肺炎があるということをお話したいと思います。
もう、コロナにかかって一週間
そろそろ治るかな?という頃に
息切れなどが起きてきてレントゲンを撮ると『肺炎』と診断されることがあります。
びっくりしますよね?
え!?治ったんちゃうん???という頃に肺炎!?
どうしてこういった事が起きるのでしょうか?
実は、この頃にはもうSARS-CoV-2ウイルス(コロナウイルス)は量としてはもう少なく殆どいないのです。
それなのになぜ肺炎が起こるのでしょうか?
SARS-CoV-2ウイルス(コロナウイルス)関連の肺炎とされているものには、じつはいろいろな機序がある!?
SARS-CoV-2ウイルス感染による肺炎の病態は
ウイルスによる直接傷害と(→こちらはイメージしやすいですね)
その後に引き起こされる過剰な免疫応答よる障害(→こちらが今日の話題)
という一連の経緯で説明されます。(パキッと区別がつくものではありません。)
『免疫』ってなかなか難しい言葉です。
『免疫が有ったほうがいいんでしょ?』なんでそれで肺炎を起こすの???
本当にその通り!という疑問です。
実は、説明も難しいのですが
実は免疫応答もやりすぎたら返って大変なのです。
★以前に、免疫、アレルギーについて説明したブログもご参照ください。→こちら
SARS-CoV-2ウイルスは、感染して数日でピークまで増えて
その後減っていきます。
その後になって入れ替わるように免疫応答の波が来て発症後1週間以降にピークを迎えるとされています。
すごく平たく言うと
コロナにたいして、カラダ(戦場)では
免疫という大きな戦いが繰り広げられ
様々な攻撃物質を出して
コロナをやっつけようとするあまり
戦場である、カラダもボロボロになってしまった。。。。
というのが過剰な免疫応答というものです。
この過剰な免疫による肺炎を『免疫性肺炎』といいます。
コロナが治った!という頃に遅れて起こってくる肺炎の正体は
この『免疫性肺炎』です。
★このYahooニュース記事も大変勉強になりました。
新型コロナ 時間差でやってくる「免疫性肺炎」に注意→こちら
おわりに
『コロナ』と一言で言っても
本当に病態は様々です。
分かっているようで
まだ分からないこともたくさん。
後遺症でいまだ悩んでおられる方もおられます。
過度に怯える必要はないものの
あまり楽観視もせずに
粛々と付き合って行きたいものですね。
過去の参照ブログ
・夏風邪にご用心を。コロナウイルス感染症も流行中です。→こちら
・当院の発熱外来の流れについて→こちら
・風邪に効く抗生剤!?それってウイルスなの?細菌なの??? →こちら
・アレルギーのお話をしてみます。→こちら