漢方薬について〜「気」とは何ですか?〜 気鬱??
こんにちは。
いかがお過ごしでしょうか?
私はといえば、、実はぎっくり腰中です(泣)。。。ううう。。
でもだいぶ良くなってきました。
→ぎっくり腰に関しては、このブログもご参照ください。
→よくある疾患について〜急性腰痛症〜→こちら
さて、今日も漢方薬、和漢診療の話をしたいと思います。
今日のテーマは、またまた「気」の異常。
その中でも「気鬱(きうつ)」についてです。
ちょっとおさらい、「気」って、「気虚」ってなんでしたっけ?
前回、
・漢方薬について 〜「気」とは何ですか?〜 気虚??→こちら
のブログで
「気」とはエネルギー見たいなものですよ!ってお話をしました。
なので「気虚」というのは
「エネルギーが足りない!」「元気が出せない。」状態のことですよ。
とご説明しました。
こういう場合によく処方する漢方薬は、「気」を補うと書いて「補気剤」が中心になってきます。
「気鬱」ってなんのこと?
ではでは、いったい、「気鬱」ってなんでしょうか?
これは本来、体を巡っている「気」どこかで滞っている状態と捉えられています。
なかなか、西洋医学にはない考え方かもしれません。
滞っている箇所でいろいろな症状を呈するとされています。
例えば
頭で滞っていたら→抑うつ 気分が塞ぐ 頭が重い
のど→詰まった感じ 流れていかない
何かがのどにへばりついている感覚(この訴え、すごくよくあります。)
胸→息苦しい。酸素が入っていかない
胃のあたり→食事が流れていかない げっぷが出る。
お腹→ガスは溜まっている 膨満感
手足→腫れていて痺れる
こんな感じです。
こういった症状の場合、
当クリニックでは
まず、その状態がなんらかのメカニズムで起こっているかはっきりしているものの除外
いわゆる検査に引っかかるものか(器質的に異常があるという言い方をします。)調べて見て
そうでない時は、「気鬱」として漢方薬を検討します。
だいたいの、「気鬱」は多かれ少なかれ気分も落ち込みます。
そして症状は、いつも一定でなく、場所も移り変わりやすいという特徴があります。
気を巡らせる漢方とは?
「気を巡らせる」生薬としては
「厚朴(こうぼく)(ホオノキの皮)」「紫蘇葉(そよう)(シソの葉っぱです)」「香附子(こうぶし)(ハマスゲの根)」「半夏(ハンゲ)(カラスビシャクの茎)」
なんかがあります。
これら生薬を配合した漢方を選択していくわけです。→半夏厚朴湯 香蘇散
当院の処方薬について
当クリニックでは
エキス剤という形での処方が一般的です。
要するにインスタント漢方薬です。
だいたいのエキス剤は
空腹時に温めたお湯で飲む。
湯飲みにエキス剤を入れて100ml程度のお湯を入れてよく溶かして飲むというのも効果があります。
(中には、冷たい水で飲むほうがいいものもありますから、処方した場合はその都度お話ししますね。)
おわりに
今日は「気鬱」についてお話ししました。
繰り返しこのブログでもお話ししてますが
「検査で何もでない事」と「だから大丈夫!」ということは
必ずイコールではないと思います。
検査で何もないと言われて、安心できる場合と
じゃあ、この症状なんなんだろう?という場合とあると思います。
後者の場合、漢方薬という選択肢があります。
少なくとも、現代の医学でメカニズムを解明できないなら
その症状と向き合う、可能なら取り去る、できれば軽減する
場合によってはうまく付き合っていくために
漢方薬を杖にして歩いてみることも一つの手ですね。
また相談しましょう。
それではおやすみなさいませ。
あん奈