恩師の言葉
こんにちは。
最近は
あっという間に週末、そしてあっという間に次の週に突入、、、
というような日々を過ごしております。
私たち医師は、お互いに日常の診療上の疑問を相談し合う場所が
オンライン上なり
リアルなり
複数あり、
私も日々、それを活用しながら
臨床上のモヤつきなど、日々アドバイスをいただいております。
そして
『気持ち的にどう折り合いをつけるべきか悩ましい問題にぶつかった時』にはどうするか。。。
私は今まで勤務していた時は
恩師の先生のところに話しに行ったり
同じ同僚の仲間に相談したりして
その中で出口を見出していました。
今も、クリニックメンバーに相談したりしながら自分の中で
歩くべき道を見出して進んでおります。
それでも恩師の言葉を聞きたいなあ、こういうとき恩師ならなんて仰るだろうかと思うことがあります。
私には、実は何名かの恩師の先生がおられます。
その時々に、いろいろ人間としてもまだまだ未熟な私に
人生の教訓や切り抜け方を教えてくださりました。
本当に落ち込んだ時を助けていただいたり
今の私の『核』となるお言葉を頂いたりしました。
何年経っても
その教えは
私の中で、形を変えて響いてきて
だんだんしっくりしたものになっていきます。
今になって分かるお言葉もあります。(非常に無礼なことをしたなあと今になって赤面することも沢山あります。)
その恩師のお一人は、福井大学名誉教授 寺澤秀一先生です。
先生は、本当に私の人生の要所、要所に
温かいお言葉とユーモアを持って係わってくださり
そして、時には、現実のこと、厳しいことも仰いながら
ずっと応援してくださいました。
一番人気なのは、授業やご講演での、深い人生経験とユーモアに富んだそのお話です。
私は福井大学総合診療部の時は、その先生の診療を身近に診せていただくという非常に贅沢な時間を過ごしておりました。
先生がその時に居られた場所のおひとつが
巨大な大学病院の中の
どの科にもスパッと決めることの難しい患者様や
いわゆる少し何らかの一筋縄にいかない問題を抱えている方
というような方々の対応というような『よろず相談所』のようなところでして。
どのような問題の方も最終的に笑顔で収まるべきところに納得して収まっていくのが不思議で
私もその手腕を何とかして習得すべく先生をよく張り込んでおりました。(笑)
今思い出しても、おお!と思うような衝撃の裏技エピソードの数々が沢山あり
その時目撃!?したことが私の現在の診察の核になっております。
いつでもその方に『よりそって』深く話しをして
一番その人にその時できる最善のことを相談して決めて居られました。
私が今目指しているのもまさに「そこ」だと思います。
先生の著書は、
研修医なら誰でも持っていると言っても過言ではない
『研修医当直御法度』→こちらに始まり、複数ありますが
私が今、貪るように読んでいるのはこれです。
『話すことあり、聞くことあり』→こちら
・気持ちがほぐれた時にふと漏らしたひと言が、診療上大切なヒントになることもある。
・スタッフに注意したいことがあるときにも、「まずどこか褒めて、そして注意したいことを言い、そして最後にどこか褒める」ようにしている。(中略)いきなり頭ごなしに叱られるのを人はよしとしない。叱られたこと、責められたこと、そういうネガティブな感情ばかりが残り、肝心の内容が心に届かない。
・A:愛情をもって教える B:(一緒に)勉強する姿勢で教える C:叱り上手 D:度量(責任は僕がもつからやってみなさい)E:いいねと言って褒める
・ユーモアが 落ち込む患者を 引き上げる
文章全てにユーモアが溢れ、
先生の笑顔が浮かんできました。(私は先生の笑顔しか見たことがないのです。幸い)
そして先生渾身の川柳が毎回章の終わりに盛り込まれておりニヤリとしてしまいました。
私のモヤつく心を見事に、撫でるように収めてくれたように思います。
さて、先生に「ブログに書いていいですか?」とお伺いすることにかこつけて
すごくおひさしぶりにメールをしました。
すぐにお返事をいただき、了承いただき
そのメールでまたも癒されました。
恩師は一生恩師です。
本で満足できなくなったらお会いしに行きたいと目論んでおります。
あん奈